私がワーキングホリデーや語学留学をした経験を踏まえて、語学学校の選び方やおすすめ期間についてまとめました。
語学学校選びが海外での充実度を左右するといっても過言ではありませんので、慎重に選んでくださいね。
語学学校の種類
ワーキングホリデーや留学の人が通う語学学校には大きく分けて、「私立の語学学校」、「大学付属の語学学校」があります。
私立の語学学校
私立の語学学校の特徴は下記のとおりです。
- 初心者向けのコースが充実している。
- 多くの学校が都市の中心部になり、通いやすい
- たくさんの学校があるので、自分に合ったコース、授業料、場所、授業内容が選べる。
- いつでも、または週1度、入学可能日があるので、自分の予定に合わせることができる。
- 大学に比べると狭い(ビル内の数フロアを使っていることが多い)
- 短期、長期のどちらでも構わない。
大学付属の語学学校
大学付属の語学学校の特徴は下記のとおりです。
- 大学進学を目指している学生が多いため、英語レベルは高め。
- コースが私立の学校学校に比べると少ない。
- 私立の語学学校に比べると授業料が高い。
- 先生の質が高い。
- 入学日が決まっているため、予定を合わせなければいけない。
- 都市の中心部から離れたところにある。
- 大学にある図書館やコンピューターなどの施設を利用することができる。
- キャンパスがとても広い。
- 大学内で大学生と交流する機会がある。
- 中期、長期の学生向け。
私立の語学学校と大学付属の語学学校の特徴をそれぞれお伝えしましたが、初心者の人の場合は私立の語学学校へ行く人がほとんどです。
都心部にあり、大学付属の語学学校に比べると安く、自分に合わせたコースが選べるからです。周りに英語の初心者の人が多いので、友達も作りやすいのが大きなポイントです。
大学付属の語学学校へ行く人は日本の大学生や英語のレベルが高い人が通う傾向があります。
大学付属の語学学校にも良いところがたくさんありますが、英語の初心者の人には逆に居心地が悪くなる可能性があります。
専門学校
私立の学校には語学学校以外に、専門学校もあります。
語学学校で英語力を身に付けたあとに、それぞれ専門の知識、例えばビジネス、経営、コンピューター、シェフなどについて勉強する人も多くいます。
この専門学校ですが、専門的なことを英語の授業を通して理解していかなければいけませんので、英語力がかなり必要です。
入学前に英語のテストがあったり、「TOEICなどのスコア○○点以上必要」という入学制限がある場合が多いです。
日本の専門学校を想像してください。基本的には先生と生徒の会話がほとんどなく、先生が一方的に説明するのを聞くだけですよね?
海外の専門学校もそれと同じです。授業を受けているときは会話をすることがなく、ひたすらリスニングです。
勉強することによっては、わざわざ海外にいるときに英語で勉強しなくても、日本に帰ってから、日本語で勉強したほうがいいこともたくさんありますので、慎重に考えてから、専門学校に通ってください。
語学学校の規模
私立の語学学校の中でも大規模な学校と小規模の学校があります。
大規模の語学学校
大規模の語学学校の特徴は下記のとおりです。
- たくさんのコースがある。
- 学習施設(コンピューターの数、自習用教材、部屋の数など)が充実している。
- 細かく英語のレベル分けがされている。
- コースの数が多い。
- 全体の生徒数が多いので、1クラスの生徒数も多くなる。
- 学校スタッフの人数が多い。
- 先生と生徒の距離が大きい。
- 留学生の国籍は多い。
- アクティビティ(学校が用意する授業後のイベント)が多い。
小規模の語学学校
小規模の語学学校の特徴は下記のとおりです。
- アットホームな雰囲気。
- 先生と生徒の距離が小さい。
- 生徒数が少ない。
- コースの数が少ない。
- 英語のレベル分けが少ないので、自分のレベルがないかもしれない。
- 留学生の国籍が偏る。
- 学習施設が充実していない。
- アクティビティが少ない。
大規模な語学学校と小規模な語学学校の違いは、どちらかのメリットはどちらかのデメリットというように、「どちらが優れているか」は一概に言えません。
個人の好みと言ってしまえばそれまでですが、私は大規模な語学学校をおすすめします。
語学学校へ通う目的はもちろん英語を勉強するためですが、もう一つの大きな目的は「友達を作ること」だからです。
小規模な語学学校はアットホームなので、生徒同士、生徒と先生が話しやすい雰囲気は確かにあります。ただ、生徒数が少ないので、友達ができる人数や可能性も少なくなってしまいます。
大規模な語学学校は生徒がたくさんいて、いろいろな国籍の生徒がいますので、自分次第ではたくさんの友達ができます。学校にも活気があって、アクティビティも充実していて、楽しいですよ。
語学学校へ通うおすすめの通学期間
語学学校へ行く期間は人それぞれですが、ひとつ確実に言えることは、最初から(日本から)長期で申し込むのは絶対にやめた方がいいです。
初めてワーキングホリデーや語学留学をする人は日本から語学学校を申し込むと思います。実際に通ってみないと、その語学学校が良いのか悪いのかがわかりません。
ほとんどの私立の語学学校は延長ができますので、日本から語学学校を申し込む場合は長くても3ヶ月ぐらいにしましょう。
初心者の状態からでも3ヶ月間、語学学校で勉強すれば、英語力も上がり、違ったコースを受けたり、違った学校へ通いたくなるからです。
ワーキングホリデーや語学留学の中で、もっともお金がかかるのが語学学校の授業料です。自分の目で確かめてから、延長をしたり、学校を変えましょう。
日本からは1ヶ月だけ申し込みをして、現地で延長する場合、自分が延長をしたい時期に入学希望者が多いと延長を断られる場合がありますので、注意してください。
専門学校(料理、コンピューター、ビジネスなど)は最初から1年間、2年間と申し込む必要があります。
通常、専門学校を申し込むのは海外で語学学校に通い、ある程度の英語力を身に付けた跡なので、複数の学校を見学し、しっかりと調査してから申し込みをしましょう。
語学学校の場所
私立の語学学校は都市の中心部に多くあります。交通の便もよく、授業が終わってからも友達と遊びに行けますので、とても便利です。
中心部からは離れていますが、ビーチや大きな公園の近くにあり自然に囲まれている語学学校もありますので、ビーチが大好きな人や常に公園に行きたい人はこういった語学学校もおすすめです。
ホームステイをする場所、ほとんどが都市の中心部から離れていますので、ビーチや大きな公園のように自然に囲まれている語学学校へは、ホームステイから近くなります。
語学学校の授業のコース
私立の語学学校にはいろいろなコースが学校ごとに用意されています。中でも初心者の人が最初に選ぶコースは「一般英語」です。学校によっては一般英語のことを「ESL」と呼ぶ場合もあります。
この一般英語では入学時に英語のレベルチェックがあり、レベルによってクラス分けがなされ、英文法、リスニング、スピーキング、リーディングの基礎を勉強します。
選択授業で自分に苦手な分野、発音やライティングの英語力を付けていくこともできます。
初心者の人はこの一般英語で英語レベルを上げ、その後に他のコースを受講してください。
語学学校によりますが、TOEIC、ケンブリッジ、アイエルツなどの資格取得に向けたコース、ビジネス英語コース、翻訳コース、発音やスピーキングを伸ばすコースなどあります。このコースの多さも語学学校選びのポイントです。
TOEICコースについて考えるべきこと
日本で就職するときにTOEICのスコアがあると有利です。そのためか海外でTOEICコースを受講する人がたくさんいます。
しかし、このTOEICは欧米では人気がなく、日本や韓国を中心としたアジアで人気がある資格です。ということは、TOEICコースには日本人と韓国人が大半を占めます。
しかも、授業内容はTOEIC用の教材を用いて、リスニングや文法、ボキャブラリーなどを勉強します。私はこれらのことを海外まで言って、わざわざ語学学校ですることではないと思っています。やろうと思えば、自分でも十分に勉強ができます。
せっかく海外で語学学校へ通うなら、多くの国の人がいて、日本ではできないスピーキングを中心とした授業を受けるべきです。
もちろんある程度の英語力がついて、日本に帰国する前にTOEICの勉強をするといいう考え方もあります。
ここで私がおすすめするのが、日本人、または日本語がペラペラのネイティブが先生の「TOEICのスコアをあげるためだけの学校」です。
TOEICには英語力はもちろんですが、問題をとく「コツ」が非常に重要です。「TOEICはテクニックを覚えると100点以上はアップする」と言われる所以です。
TOEICのスコアを上げるためだけに学校に通うなら、一般の語学学校よりも、こうした「TOEIC専門の学校(または塾)」に通い、スコアを上げる「コツ」を教えてもらった方がTOEICのスコアは伸びます。
もちろん、リスニングやボキャブラリー、英文法の勉強もしっかりしますので、英語力も上がります。
授業の時間
大きく分けて、フルタイムとパートタイムがあります。フルタイムは午前と午後の両方、パートタイムは午前、または午後だけ授業があります。
当然、フルタイムの方が授業料は高くなりますが、自分の英語力を伸ばすためにはフルタイムにしましょう。
資金の問題で、パートタイムで半日、語学学校に通い、半日をアルバイトをしなければいけない人もいると思います。
しかし、日本を出発する前の時点で「パートタイムなら何とか通えるお金がある」という人は、もう少し頑張ってお金を貯めて、フルタイムで通いましょう。
国籍の割合
語学学校の紹介で「日本人30%、韓国人30%、メキシコ人10%、その他30%」などと、その語学学校に通う生徒の出身国が書かれています。
これは全然、当てになりません。
あくまでこれは平均、または適当です。
時期によって全然違いますし、クラスによって全然違います。
時期によって違うのはそれぞれの国の事情に寄りますし、英語のレベルが低いクラスにはアジア人、高いクラスにはヨーロッパ人が多くいます。
残念ながら、日本で海外の語学学校を申し込むときに、正確な国籍の割合(時期、クラスごと)はわかりません。
この国籍の割合はあくまで「参考程度」に考えましょう。
同じ語学学校内でもスピーキングを重視するコースには、スピーキングが苦手なアジア人(特に日本人と韓国人)が多くなる傾向がありますし、ケンブリッジやアイエルツなどヨーロッパ人にとって必要な資格のコースはヨーロッパ人が多くなります。
TOEICコースは日本人と韓国人が多いです。
ワーキングホリデーや語学留学をする前は、「日本人が少ないほうがいい」と思いますが、日本人がいるのも楽しいですよ。
クラスの人数
クラスの人数も「国籍の割合」と同じように当てになりません。特に夏休みなど世界各地で大型の休みがある場合は、生徒数がかなり増えます。
どこの学校でも生徒数は、最大15名ぐらいです。
実際には15名も生徒がいましたら、授業中の発言も限られますし、先生と話す機会も限られます。
できるだけ、少人数の語学学校が良いのですが、有名な語学学校はクラスの人数が多いのが実情です。
私が通っていた語学学校は夏になると1クラスの人数が15名になり、冬になると6名になったことがありますので、先生と話す機会が多く、非常に勉強になりました。
クラスのレベル
入学時に英語のチェックがあり、その結果に基づいてクラス分けがされます。
例えば英語レベルが3段階しかなければ、各レベルの差が激しくなり、自分の英語力にあ合った授業を受けられない可能性があります。
10段階あれば各レベルの差が少なく、自分の英語力に合った授業を受けることができます。
この英語レベル数は多ければ大いに越したことがありません。
この英語レベルが低いとアジア人(特に日本人と韓国人)が多く、英語レベルが高いとヨーロッパ人が多くなりますので、少しでも多くの国の人と友達になりたい人は、がんばってレベルを上げていってください。
授業料
授業料は安いほうがいいですが、安くなればそれだけ学校の設備、先生の質、立地などが悪くなる可能性があります。
もちろん授業料が安くても良い学校はありますが、そういった学校を見つける(特に日本から)のは難しいのが現実です。
同じ国の同じ都市に複数の語学学校がある場合は、どこの学校も同じような授業料なので、自分が重視するポイントを決めて、語学学校を選んでください。
アクティビティの数
アクティビティとは授業が終わった後、または休日に語学学校が用意するイベントのことです。
例えば、授業後にアクティビティに参加した先生と生徒と一緒に町を探索したり、ボーリングに行ったり、スポーツ観戦をします。
大型連休の前には旅行へ行くこともあります。
アクティビティには英語のレベルが関係なく参加しますので、英語が上手な友達もでき、英語を話す機会が増えますので、アクティビティが充実している語学学校を選んでください。
日本人以外の友達を作るチャンスです。
何のアクティビティかによって参加費は異なりますが、お金の許す限り参加してみましょう。
日本人は積極的に参加するのが苦手な傾向がありますが、1人でも積極的に参加しましょう。
友達と参加すると友達と話す機会が多くなりますが、1人で参加すると1人で参加した人同士で仲良くなる可能性が十分ありますし、他の人から話しかけてもらいやすくなります。
母国語禁止ルール
日本人なら日本語の禁止、韓国人なら韓国語の禁止というように母国語を禁止している語学学校が多いです。
しかし、このルールの厳しさは語学学校によって、全然違います。
母国語禁止ルールがあるにも関わらず、生徒同士で母国語を話したり、先生の前で話しても全く問題のない学校もありますし、語学学校内だけではなく、語学学校の周辺でも英語を禁止しいているところもあります。
このルールがいい加減な語学学校だと、「同じ国の生徒同士で集まり母国語を話している」という非常に良くないことが起こります。
授業中や先生がいる前では英語を話しますが、ランチや休憩時間はいろいろな国の言葉が飛び交っている語学学校もあります。
この母国語禁止ルールが厳しく、中には「3回注意されると強制的に退学」という語学学校もありますので、ルールが徹底している語学学校をおすすめします。
ルールが徹底している語学学校というのは、システムがしっかりしている証拠ですので、自然に授業や先生の質も良くなり、英語の勉強にとっても良いことです。